イタロディスコ「再評価」の弊害

ここ数年、ハウス・エレクトロが好きな人たちによって、イタロディスコが「再評価」され、イタロディスコを楽しむ人が増えているのはいいことだと思うんですが、それにともなって、やや弊害のようなものが生まれつつあります。

#01 初期のイタロディスコ以外はイタロディスコじゃない?
上記の「ハウス・エレクトロが好きな人たち」(以下、再評価組、とでもしましょう。)によくある傾向なんですが、1983年あたりまでの、ユーロビート色の薄いイタロディスコに興味があるが、それ以降のユーロビート化したイタロディスコには興味がなく、まるでユーロビート化したイタロディスコはイタロディスコじゃない、みたいな雰囲気が生まれつつあります。
私は「これは間違ってる!」 といいたい。Google などで、italo disco と検索してみてください。ヒットしてくるのは海外のイタロディスコファンサイトが多いと思いますが、それらのサイトでは、ユーロビート化したイタロディスコが「メイン」で取り扱われているし、初期のイタロディスコも当然のように取り扱われています。そこに楽曲・製作時期、スタイルによる、区別、もしくは、ある種の「音楽の差別」は、少なくとも私には感じられません。
私は初期のイタロディスコも、ユーロビート化したイタロディスコも両方大好きです。海外(特にヨーロッパ)のファンと同じようなスタンスで聴いているつもりです。しかし、再評価組の一部はそうではないようで、残念に思いますし、「再評価」の弊害かなあ、と思ったりもするのです。

#02 ハイエナジーとイタロディスコの区別がつかない?
これも再評価組の方によくあることです。イタロディスコのカテゴライズの中に、明らかにイタロディスコではなくハイエナジーであるアーティストの作品が含まれていることが結構あります。例えば、、、LIME, PATRICK COWLEY, BOBBY O, CAROL JIANI など、どう考えても 100% PURE HI-NRG なアーティストをイタロディスコと呼んでしまう人がいます。イタロディスコがハイエナジーに影響されて、ユーロビート化していったのに、その元であるハイエナジーそのものをイタロディスコって呼んでしまうなんて…(^^; と思うんですよ。
イタロとハイエナジーの違いは、ハイエナジーは、70年代のアメリカのディスコサウンドを電子楽器で延長したような側面があるので、黒人女性シンガーが歌っていたりして、非常にソウルフルだったりします。そして、メロディがイタロディスコのように、あまり哀愁じみていませんね。
でも、おおざっぱでありながら、結構当たっている(と思う)、簡単な区別の仕方は、曲の原産国。アメリカ、イギリス、カナダ産ならハイエナジー。イギリス以外のヨーロッパ原産ならイタロディスコ。簡単でしょ? でも、これが意外と当たってます。おおざっぱではありますけどね。

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